■口臭は心と体の鏡…釈迦の教え…歯磨き事始

日本人の「口臭」観
日本人は昔から、他人の口臭には警戒しています。反対に自分の口臭も気にしています。他のアジア人にも似た考えがあります。なぜでしょうか?
口臭があることを忌み嫌う宗教的思想を持っているからです。
大枚をはたいて、漢方医の治療を受けることのできない、知識もない庶民は大昔から口臭が気になる度に舌を磨くしか方法がなく、悪戦苦闘してきたのです。 お金持ちは、漢方医に舌を診断してもらい適切な治療を受けることもできたのですが・・・

お釈迦様が口臭を説く
仏教では、釈迦は体臭や口臭は、心身が穢れていると説いたのです。したがって、体臭に対しては焼香して心身を清浄します。食生活も体臭が出ないように工夫しています。口臭に対しては非常に厳しく、仏門では口臭があることは汚らわしいと考えられ、お寺でも「葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず」と書いてあることがあります。
仏門に入るものは、体臭や口臭は許されなかったのです。葷(くん)はニンニク臭やニラ臭を言います。酒は酒臭い口臭を言います。

現在でも格式の高い寺院の仏教儀式では、口臭を消す特殊な木の実を口に含んで口臭を消す事を仏事として行います。(秘仏公開の儀などでは、必ず行います。ずっと口臭を消す木の実を口に含むのです。)

世界初の歯磨き
口臭は心と体の不浄の現れであると言うのは釈迦の教えです。彼は世界で初めて口臭について医学的な見解を示したのです。当時は、医療と宗教は密接に結びついていたのです。 古代日本では、お寺が病院でもあったのです。
釈迦はそのための手段として世界で始めて信徒に「歯磨き」を日々の御勤めとして行わせたのです。
そのための道具として、彼が悟りを開いた、菩提樹の枝を切り、世界で最初の歯ブラシも考案しました。

歯磨き=仏教徒のお勤め
仏教徒には昔から起きてすぐに歯磨きをして心と体を清めるように日々の勤めとして取り入れたのです。したがって、日本人が起きてすぐに歯を磨く習慣を身に付けたのは仏教伝来の時で、日々の信仰生活の中に、心身を清めることとして歯磨き習慣を身につけたのです。
この、仏陀が最初に考案した歯ブラシは瞑想にふけった菩提樹から作られたために、その木は「歯木」と呼ばれ、サンスクリット語では「デンタカーシュッタ」と呼ばれたのです。仏陀の教えはやがてシルクロードを通じてヨーロッパに伝えられ、発展して異教徒である西洋で歯科学が生まれました。歯科が「デンタル」と呼ばれる語源は釈迦が悟りを開いた木の名前に由来しています。

釈迦は古代インド医学(アーユルヴェーダ)の医師でもあったので、口臭は口腔内や内科的問題だけでなく精神的な問題にも関係していることを医学的に知っていたのです。したがって、キスする位置の息にも、気をつける欧米人に比べて、時々他人を不快にする生理的口臭には無頓着な日本人を、釈迦はきっと憂いているでしょう。

この釈迦の教えは、皮肉にも異教徒の方が守っているし、デンタルと言う歯科学に発展させたのも異教徒ですから、彼も浄土でさぞかし苦笑していることでしょう。

欧米におけるキスの習慣は、相手の心身が穢れていないことをチェックするために始まったのかもしれません。