以前「風呂磨き」の回で、唾液を使った歯磨きについて取り上げましたが、ご覧いただけましたか?
さて次は、唾液を歯磨き剤の代わりに使い、「どのように磨くか」が気になるところ。今回は、その方法について、Dr.HONDAのオススメする方法を2回に渡りご紹介します。前編では、つまようじの効果とつまようじの使い方、後半では、つまようじ法について紹介します。つまようじ法は、多くの歯科医師の方々も推薦する有効な歯磨き法の一つです。お楽しみに!



Dr.HONDAによると、「一般に、歯科医院では、爪楊枝は、なるべく使わないで下さい、と指導されます。衛生士学校でもそのように教育されています。」とのこと。歯科では爪楊枝の使用をあまりすすめていないようです。

しかし、実際のところ、Dr.HONDAは爪楊枝を愛用していますし、他にも食後に爪楊枝を使う他の歯科医院の方がいらっしゃいます。なんだか矛盾していませんか??
食後、歯の間に詰まった食べかす、繊維質を取り除くためには三角ようじが最も効果的です。 三角ようじとは、普通のつまようじとは違い、二等辺三角形をしている楊枝のことです。三角ようじは、歯と歯ぐきの清掃とマッサージを同時にやってくれる優れモノ。欧米では三角形状のようじは、食後の最も重要な歯間清掃用具であり、デンタルピックと呼ばれます。

従来の丸い爪楊枝はカクテルピックと言い、本来はフォーク代わりに料理用ピックとして使われるものです。この爪楊枝を無理に使うと歯と歯ぐきに負担がかかるのでご注意を。

三角ようじは歯間部の形状に合わせた三角タイプなので歯ぐきを痛めません。狭いスキ間の汚れもしっかり除去、上の二辺でクリーニング、底辺の部分で歯ぐきのマッサージ効果が得られます。

詰まった食べかすを簡単に取り除くことができ、歯磨き剤や水も不要。食後に口腔内を潤しているサラサラ唾液を損なうことがありません。歯と歯の間は磨きにくく歯垢がたまりやすいため、歯磨きをする上で最も注意すべき場所。食後は爪楊枝を効果的に使って歯をキレイにしましょう。


「爪楊枝で歯を磨く」ということは、人間にとって非常に歴史が古い行為だということをご存知ですか?

楊枝を初めて使ったのはネアンデルタール人で、およそ10万年前といわれています。歯の化石に、縦の筋が見られ、これは堅い楊枝で歯をこすった跡だと推測されています。


その時代は、野性に近い生活をおくり、食物を柔らかくして食べる調理方法も発達していなかったので、歯がどれほど重要であったか、想像に難くありません。ちなみに、木の枝で歯を磨くチンパンジーがいるということも報告されています。

理にかなった行為だからこそ、人間や動物は楊枝で歯の掃除をしてきたのでしょう。

●参考 : (株)広栄社ウェブサイト http://www.cleardent.co.jp/youji/hist-1.htm